2012年7月12日木曜日

あれは冬の寒い日だった。

森の中でムースに出会った。少しずつ近づきながら、ムースの様子を伺った。
野生動物との間に、ある一線があると良く聞いていた。ゆっくりと近づきながらその一線とはどの程度のことを言うのか自分で試してみたかった。 まだ距離は充分にある。
ムースは気にもしないで黙々と枝を食いちぎっていた。しかし、ある一定の距離まで近づくと食べるのをやめ、じっとこちらを見続けていた。辛抱強く待ち続けるとムースはまた枝を食べ始めた。しばらくして一歩前に進んでみた。するとムースは枝を食べながらこちらを睨みつけた。まだ大丈夫な距離だと思いもう一歩踏み出した。まだいける。もう一歩。かなりムースとの距離が近くなった。するとムースは鋭い目つきでこちらを睨みつけた。これ以上は無理かな?と思い、ゆっくりとカメラを構えシャッターを切った。



 もう少し近づきたいと思い動こうとした瞬間にムースは移動した。

そんな冬の日の出来事を今頃思い出した。

0 件のコメント:

コメントを投稿