2011年6月24日金曜日

静かな湖

 久しぶりに夕日が見たいな〜と思い、カメラを手に取った。日没までに時間があったので家の近所を見てまわる。

                             家を出る前にあまりの美しさに思わずシャッターを切った

 普段なにげに通り過ぎるハイウエー沿いの湖に初めて足を運んでみた。小さなパーキングスペースがあるだけで、一見何も無いところだ。トレイルやボートラウンチがあるわけでもなかった。そこはほとんど人が訪れないのだろうか、水鳥や動物達の憩いの場であるように見えた。

 湖の岸から湖をのぞいてみたら、水鳥達が驚き声を上げ羽ばたいた。
ハイウエー沿いで車の通り過ぎる音が聞こえては来るのだけれど、人がほとんど足を踏み入れる事のないような所なので、ひと味違う雰囲気のある湖であった。



 反対岸にはビーバーダムも見える。夕日でピンク色に染まる湖の真ん中をマスクラットが気持ち良さそうに泳いで行く。遠くからはコヨーテの鳴き声も聞こえてくる。こういう時に何とも言えない不思議な気分を味わうのだ。僕たちの生きている世界を忘れさせてくれる瞬間だ。僕たちが生きている世界とは違う所に、また違う世界が存在するという事。時間の流れも違うのだろう。日が沈んだ後中々暗くならない北の大地はゆっくりと時間が過ぎて行く。





 以前は気にも留めなかった湖が動物たちの楽園?であったこと(ちょっと大げさ?、笑)を知り、なんか得した気分になった。これからしばらく通ってみようと思った。

2011年6月16日木曜日

Salmon Fishing with Friends

先日、ネイティブの知人が『来週フィッシングに行くけど一緒に来る?』というので、『じゃあ、その前に確認の電話入れるね。』と言葉を交わして別れたのが先週の週末だった。今週末はなにげに忙しく、携帯を充電する時間もないまま様々な仕事に追われていた。『あ~フィッシングの確認の電話しないとな~』と思いつつも充電されていない携帯では連絡する事も出来ずただ忙しさに追われていた。日曜の朝、なにげに目覚めふと思い出したのだ、今日はフィッシングに行く日だったと。

家族の大黒柱のお父さん。子供はお父さんの背中を見て育つ。w こんなお父さんだけどここの子供は素晴らしい。お父さんに対して、yes, sirと嫌な顔を少しも見せずてきぱきと行動する。ネイティブの奥さんは家族にリーダーは1人の方が良いのよと旦那さんの一歩後をついてくるような素敵な女性だ。



急いでTide Book を確認してみたら今日の満潮は午後2時過ぎだった。『あ、まだみんな家にいるかも?』と電話してみたら連絡がつきキーナイのビーチで待ち合わせる事になった。時は日曜日の午前10時過ぎのことだった。

この辺りのネイティブの人々はセットネットと言われる漁法でサーモンを捕る。一言にネイティブと言っても沢山の種族から成り立っている。僕らの住んでいる地元のネイティブ達はアサバスカンインディアン族に含まれるキナイッチインディアンというトライブだ。セットネット、いわゆる定置網のようなもので、海岸近くにあらかじめ全てがセットアップされている。鮭は川に入る前海岸近くを泳いで川に向かうためだ。満潮になる前にそこに網を仕掛けて川に向かう鮭を網で一網打尽にしようというもくろみだ。
    途中でおばあちゃんとその息子が登場 

おばあちゃんは1940年代にアラスカにやって来たそうだ。日本軍がアリューシャン列島に攻めて来て、それを防ぐために旦那さんがアラスカに配属されたのだそう。



しかし網を仕掛けてしまった後はこれと言ってする事も無く、散歩したり、ホットドッグを食べたり、マシュマロを焼いたりと時間をつぶすのだ。だが、一つだけ気をつけなければいけない事がある。それはラッコだ。網にかかった鮭をラッコが奪いにくるからだ。ラッコが網に近づくと、厳戒態勢?笑 に入る。弾の入っていない火薬だけの銃を撃ち、音で威嚇するのだ。銃を撃つと驚いたラッコは海に潜り逃げて行く。獲物を奪おうとするラッコと守ろうとする人間の戦いだ。今回は1匹も奪われる事無く漁を終える事が出来たと思うが、さすがラッコだ、普段は沢山かじられたり、獲物を奪われるのである。
    この姉妹がネイティブの血を引いている。最近は白人等とのミックスのネイティブも街では多い


スリングショットでラッコを狙う。左に見えるのがブイとセットした網


火の番をしている次男坊


ネイティブのアーティストの知人は海岸付近から植物の根っこを集めて来て
それらを巧みに折りこみ様々なものを作り出す。今回は食器を洗うスポンジ?もしくはお風呂の時のアカスリになるようなものを作っていた。彼女は『おばあさんから教えてもらったの。』と。(と言っても今日来ているおばあちゃんではないもう1人のおばあちゃんからだそう。) 




網から鮭を取るのはなかなか大変な作業だ。 左の若者はシーズンいっぱいここで働く。彼もネイティブの血を引く。

                             ネイティブの奥さんと里帰りでアトランタからやって来た。奥さんは(友人の妹さん)
寒いのが嫌で南に移住してしまった。日本に行く方が方がアラスカに来るより安いぞとぼやいていた。w



今の時期はサーモン漁には少し早い。今回はおそらく20匹くらいしか穫れなかったであろう。(去年は78匹。ひと家族80匹まで。)僕は自分のグリーンハウスを仕上げたくて漁を途中で抜け出して家に向かった。

久しぶりに友人達と楽しいひとときを共にした。
相棒のクリスティーナはスエーデンに一時帰国しているのだが、インドで仕事が入り数日前にインドに入ったところだ。そういう事もあって、最近1人で忙しくしていたのでいい気分転換になった。

アラスカの夏は忙しいのである。

PS 昨年の漁の写真が見れます。3枚目から7枚目までが昨年のもようです。
     http://www.lightstalkers.org/galleries/slideshow/26645