2018年3月29日木曜日

世界の頂点を極めた男が帰ってきた!


毎年3月アラスカで世界最長の犬ぞりレース、IDITARODが開催される。距離は1600キロに及び、ウイローというアンカレッジの北にある小さな町を出発し、西の果てのノームという街まで。毎年降雪状況によってコースが変わるのだが、最低でも8日くらいかけてノームまで向かう過酷なレースだ。

本スタートの前日にアンカレッジで記念式典が行われる、その一環でアンカレッジの街中をマッシャーが10マイルくらい犬ぞりで走り抜ける。記念式典ということでアンカレッジのダウンタウンはすごい人出で賑わう。


 IDITARODに参加するためには、前年に3本のレースを完走しなければならない。

その出場資格を得るために十数年前に犬ぞり界から引退したマッシャーが 昨シーズン復活した。そう、何を隠そうその方が12年前の冬に出会った侍魂のマッシャーなのだ。

侍魂のマッシャーはMichiさんといい、実は1998年の短距離の犬ぞり世界大会で優勝を収め、世界チャンピオンになっているすごい人だったのだ。当時MichiさんのコーチをしていたJoe Redingtonsさんから、いつかお前はIDITARODに挑戦しなければいけない、と言われていたそうだ。しかし、その後たび重なる怪我で犬ぞり会から退くことに。
(Joe Radingtonさんはアイディタロッドの父と呼ばれる偉大な方。)

Michiさんは世界チャンピオンになった後、アラスカ州から表彰されている数少ない日本人だ。フランク安田、植村直己に続いた。生きている時にアラスカ州から表彰されたのはMichiさんだけだ。

その後ツアーガイドの仕事に専念していたMichiさんは、自分はなぜアラスカに住んでいるのだろうと自問自答を繰り返す日々が続いたと言っていた。色々悩み苦しんだのであろうが、昨シーズン復活するという話を聞いた。

世界の頂点を極めた男が帰ってきた!!

 これは是非記事にしなければいけない、と思い計画をたてたのだけど急にライターの都合がつかず、今年の取材は宙に浮いてしまった。


レースの数日前にMichiさんから連絡があった。最後のビッグレースになるかもしれないから、写真撮りに来るんだったら来て、と言われた。
これは一大事だ。早速去年お世話になったアイディタロッドプレス担当者に連絡を入れて撮影許可をもらえないかと相談。

ギリギリでなんとかプレスとして会場に入れることになった。(犬の雑誌の取材で去年スエーデン人のマッシャーを取材していたのだ。w 去年もギリギリで頼みこんでいたので覚えていてくれた。w)

レースまで日にちがない。準備できることをしなくては。記念式典の撮影場所はスタート地点とどこにするか? ゴールも撮るか?など師匠に相談、作戦会議。

レースの前日、帰宅が仕事の都合で午後11時すぎになってしまった。
Michiさんの出走が63番目 に決定したとウエブサイトで確認、その後撮影の作戦を立てた。

アンカレッジに朝の8時までには着いておきたい。ここを午前5時に出ないと。4時起床だ。準備や弁当を作っていたらすでに午前2時。2時間の睡眠だ。


つづく

0 件のコメント:

コメントを投稿